先日、知り合いと一緒に松江に行って来ました。

目的は2つ、島根県立美術館で開催されていた、染色家、柚木沙弥郎さんの展覧会鑑賞と、知り合いの家に祀る「神さん」をさがしに。

先ずは柚木沙弥郎さんの展覧会。

沙弥郎さんは、本業の染色以外にも、本の装丁や、絵本の挿絵など幅広く仕事をされていて、彼の自由で大胆で、どこかユーモアのあるデザインは、お亡くなりになる直前まで新鮮さを失わず、とても素敵な作品ばかりで、見終わった後に「創作に年齢って関係ないのかも」と、知り合いがぽつりと言った言葉がとても印象に残った展覧会でした。

さて、もう一つの「神さん」を探す旅。

知り合いの家には神棚が無いようで、せっかく松江に来たんだから、神さんの集まる土地から「神さんを招きたい」という、ちょっと強引な理由で神さん探しをすることになりました。

美術館から近いところに、民藝品を扱っているギャラリー兼ショップがあったので訪れることに。

そのお店は、昨年末の旅でも訪れた民藝店界隈では有名なお店。

もともと紳士服のテーラーショップだった店内は、昔の洋服店独特の品のある作りで、店主がセレクトした全国の有名な窯元の食器や花瓶などがセンスよく陳列されています。その一番奥の棚に、全高5cmほどの黒く煤けた大黒さんと恵比寿さんが数体並べられ、そのコーナーだけ少し異質な雰囲気が漂っています。昔、家を建てる際に出た木端で、その家の繁栄を願って大工さんが即席で作った神さんだそうで、荒削りでお世辞にも上手いとは言い難いその仏像は、逆に凄く味があって愛らしさを感じる不思議な魅力がありました。店主曰く、古い民家を解体した際に出て来た物を引き取ったものらしく、それぞれ出身地も違うとのこと。

知り合いは、お店の方に、一体一体の状態や値段を真剣に聞いて、購入するか結構悩んでいたのだけれど、結局購入することはありませんでした。

帰り道、知り合い曰く、「誰かの家のためを想い彫られた神さんを、美術品や観賞用と割り切って購入するならともかく、自分の家の神さんとして招くのはどうも都合良すぎるように思う」だそうで。

あーでもない、こーでもない、と話し合い「自分の家の神さんは自分で彫る」という結論に達しました。

今回の旅行は、結構タイトスケジュールで疲れましたが、とても内容の濃い、そして、ちょっと不思議な時間を過ごすことが出来て大満足の旅でした。

そんなこんなで、情報誌ツルカメ6月号の発行です!

梅雨の憂鬱な空も吹き飛ぶ、とっておきの情報盛りだくさんでお届けします。

掲載いただいたお店様、企業様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。

 

それでは今日の一曲。